- 「第二新卒で生産技術職から研究開発職に転職できる?」
- 「未経験でも研究開発職に転職するためのコツを知りたい」
- 「研究開発職への転職活動を始める前に注意すべき点はある?」
生産技術職から研究開発職に転職したくても、人気の高い職種のため未経験で採用されるかどうか不安でしょう。
第二新卒で生産技術職から研究開発職に転職した実例は、ネットでも多くはありません。
僕は応募や面接を繰り返しつつ、転職エージェントの担当者と相談して転職活動を進めたため、転職までに半年近くかかりました。
そこでこの記事では、第二新卒でも生産技術職から研究開発職へスムーズに転職する方法を解説します。
この記事を読めば、面接で好印象を残せて、志望度の高い応募先から内定をもらいやすくなります。
研究開発職への転職活動を経験して、欠かせないと感じたノウハウと知っておくべき注意点をまとめました。
なるべく短期間で転職活動を終わらせつつも、転職先の選択を後悔したくない方は、最後までご覧ください。
研究開発職への転職活動を始める前にぜひ読んでみてください。
生産技術職から研究開発職に転職できる理由2選
第二新卒であれば、生産技術職から研究開発職に転職できる理由は2つあります。
- 第二新卒はポテンシャル採用されやすい
- 開発から量産までの流れを理解している
未経験の研究開発職に就くには、ポテンシャル採用を利用できる25~28歳程度であるかどうかが特に重要です。
第二新卒はポテンシャル採用されやすい
第二新卒であれば、現職での実務経験よりも、学生時代の経験や研究開発職への意欲が重視される傾向があります。
若いほど転職先での在籍期間が長くなるため、研究開発職に関する専門知識を習得しやすく、伸びしろにも期待できます。
僕自身、転職活動を開始した時点の実務経験は1年程度と短く、転職先で扱う製品の専門知識もありませんでした。
ですが、学生時代の経験を踏まえて研究開発職に向いていることをアピールし、研究開発職への熱意を伝えることで転職できました。
少しでも研究開発職に興味があれば、ポテンシャル採用を狙って早めに行動するのがおすすめです。
開発から量産までの流れを理解している
生産技術職の経験によって、開発から量産までの流れを理解している人材は、採用側にとって魅力的です。
研究開発職の業務内容をイメージしやすく、大きなギャップを感じずに研究開発職に就けます。
また、研究開発の段階で、利益を生み出すのに重要な以下の内容を考慮できるのも生産技術者の強みです。
- 原価と製造コスト
- 現場に負担がかからない製造工程
- 品質管理
- 歩留まり
製品の量産化まで見据えて研究開発に取り組める人材は貴重な存在といえます。
研究開発職に転職するための秘訣6選
第二新卒はポテンシャル採用されやすいからといって、簡単に研究開発職へ転職できるわけではありません。
自身が希望するキャリアを歩むためにも、以下の6つのポイントをクリアして転職活動を開始するのがおすすめです。
- 現職での異動ではキャリアビジョンが叶わない理由を明確にする
- 研究開発職でのキャリアプランを明確にする
- 大学から現職までに得た知識・経験の活かし方を明確にする
- 研究室で得た成果のプロセスを深掘りする
- 研究開発職に活かせる生産技術職の経験を準備する
- 面接経験を数回積んで慣れる
現職での異動ではキャリアビジョンが叶わない理由を明確にする
現職において、研究開発職への部署異動ではキャリアビジョンを達成できない理由を明確にしましょう。
社内異動で解決できる場合、面接官にも「わざわざうちで採用する必要はないな」と判断されます。
転職によって研究開発職に就くのがベターと考えられるケース例を挙げました。
- 現職では既存製品をベースとした開発テーマが多く、0から製品を生み出しづらい
- 現職で取り扱う製品分野に将来性を感じられなくなった
- 現職では大学、大学院で培った知識や経験を活かせない
- 異動を申し出たが、「数年は所属部署で経験を積んでほしい」と言われて研究開発職に就けるかは不明
「研究開発職に就きたい」でとどまらず、「研究開発職に転職したい」と考えた理由まで深掘りしておくと、転職の成功確率も上がります。
研究開発職でのキャリアプランを明確にする
応募先の研究開発職の業務内容を理解した上で、どのようなキャリアを目指したいか明確にしましょう。
募集要項や公式HPを熟読してキャリアプランを明確にできれば、応募先の研究開発職への意欲を伝えられます。
応募先の募集要項や公式HPを読んでも、研究開発職の業務内容が分からない場合、逆質問するのもおすすめです。
逆質問で業務内容の理解を深めて、より具体的なキャリアプランを最終面接で回答できれば、面接官の心を掴めます。
学生時代、計算化学で物性を予測していた背景から、応募先でも物性を予測する方法があるか知りたくて逆質問しました。
大学から現職までに得た知識・経験の活かし方を明確にする
応募先で必要な知識を把握し、大学から現職までに得た知識・経験をどう活かすか明確にする必要があります。
第二新卒であっても、応募先に関連する知識・経験を保有しているほど有利です。
なお、「有機化学の知識が活かせる」などといった回答は抽象的なので、応募先の製品開発に必要な評価・分析・合成などの視点で考えてみましょう。
応募先と直結する知識がなくても、研究室での取り組み方をふまえて、どのように研究開発へ携わるかアピールできれば問題ありません。
研究室で得た成果のプロセスを深掘りする
新卒同様、どういった考えや行動によって研究成果を得たのかを深掘りしておきましょう。
研究成果を生み出す考えや行動が身についていることをアピールできれば、どんな分野でも成果を残せる人材と評価されます。
成果の大小よりも成果を得るためのプロセスが重要なので、大きな成果を持っていなくても研究開発職に就けます。
研究開発職に活かせる生産技術職の経験を準備する
第二新卒でも、研究開発職に活かせる生産技術職の経験は準備しておきましょう。
どういった姿勢で研究開発職に携わっていくかのアピールにつながります。
お伝えしたように、開発から量産までの流れを理解しているのは、生産技術者の強みです。
生産技術職での経験談をふまえて、量産を見据えて研究開発職に携われることをアピールすると、他の応募者と差をつけられます。
面接経験を数回積んで慣れる
新卒で面接経験を積んでいたとしても、志望度が低い会社の面接から受けることをおすすめします。
新卒と第二新卒では面接内容も異なり、いきなり志望度の高い会社を受けると、スムーズに応答できずに不採用となる可能性があります。
第二新卒でよく聞かれた質問内容の例は以下の通りです。
- 入社して数年で転職を決断した理由
- 思い描くキャリアプランを現職で実現できない理由
- 現職の研修でどんなことを学んだか
- 現職の業務で研究開発職に活かせることは何か
採用を判断するにあたり、重要な質問内容はどの会社でも聞かれるため、面接経験を積むほど説得力のある応答ができます。
研究開発職への転職活動を始める前の注意点5選
研究開発職への転職活動を始める前に、注意していただきたい項目が5つあります。
- 部署異動で研究開発職に就けないか検討する
- 転職の難易度は高いため時間がかかる
- 新卒扱いであれば年収が下がるケースもある
- 転職先で研究開発職にずっと就けるとは限らない
- 研究開発職への転職によるデメリットを知っておく
研究開発職への転職で後悔しないためにも、知っておくのがおすすめです。
部署異動で研究開発職に就けないか検討する
最も手間をかけずに研究開発職に携われる方法は部署異動です。
転職活動には時間・労力がかかりますが、部署異動であれば上司への相談から気軽に始められます。
ただし、実績がない新卒時では、部署異動の希望が通りづらいのも事実です。
すぐに研究開発職へ異動するのは難しいかもしれませんが、異動に必要な条件や期間が分かれば、キャリアプランを立てやすくなります。
転職の難易度は高いため時間がかかる
研究開発職にも第二新卒枠がありますが、経験者を優遇する応募先が多く、未経験者は転職に時間がかかる傾向があります。
また、研究開発職の人気が高いのに対して、1社の募集につき採用人数は1〜2名程度で倍率も高い職種です。
応募者のポテンシャルが高くても、経験・スキル不足によって不採用になり得るため、粘り強く転職活動を続ける必要があります。
僕自身は、研究開発職が未経験だったことに加えて、半導体業界から化学業界への異業種転職だったので半年近くかかりました。
新卒扱いであれば年収が下がるケースもある
入社2年目以降であっても、研究開発職での実績がないため、転職先では新卒の給料水準に戻る可能性があります。
リクルートワークス研究所の2023年調査によると、25〜34歳に転職して1年目の年収が減った人は32%です。
具体的な給与は内定後に提示されます。
給与面で満足できなければ内定辞退もできるため、内定先を複数獲得してから提示給与を比較するのも手です。
転職先で研究開発職にずっと就けるとは限らない
研究開発職に転職できても、数年で異なる職種に異動する可能性があります。
研究開発職の業務は、研究から製品開発までと幅広く、関連部署も多いため異動しやすい職種といえます。
僕の職場でも、品質保証・生産・製造など様々な部署に異動している印象です。
面接でも「研究開発職から異動があっても問題ないか」と聞かれるのは定番でした。
異動頻度が気になる方は、HPに掲載されているジョブローテーション制度や、面接での逆質問で把握するのがおすすめです。
研究開発職への転職によるデメリットを知っておく
研究開発職に転職してから後悔することがないよう、転職によるメリットだけでなくデメリットも知っておきましょう。
- 開発スケジュールがタイト
- 業務の幅が広がり残業時間が増える
- 気軽に話せる同期がいなくなる
- 人間関係が悪化する可能性がある
- 年収が下がる可能性がある
- 会社独自のルールに慣れる必要がある
「転職先や研究開発職が合わない」と感じたら、第二新卒で2回目の転職もできます。
ただし、早期退職を心配されて、1回目の転職活動よりも内定率が下がる可能性はあります。
研究開発職へのデメリットについて、より詳細に知りたい方は以下の記事をご覧ください。
生産技術職から研究開発職への転職でよくある質問
- 生産技術職と研究開発職の違いは?
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量産製品を不具合なく、低コストで効率的に製造できるよう、製造プロセスの改良を進めるのが生産技術職です。
一方、研究開発職では基礎研究や応用研究を行いつつ、新製品の開発を進めます。
より詳細に知りたい方はこちらをご覧ください。
- 研究開発職に向いている人の特徴は?
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研究開発職に向いている人の特徴は以下の通りです。
- 探究心があり視野が広い
- 粘り強く物事に取り組める
- 失敗を糧にできる
- コミュニケーション力がある
より詳細に知りたい方はこちらをご覧ください。
- 高学歴でなくても研究開発職に転職できる?
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新卒では学歴が重要視されやすいですが、第二新卒や転職であれば、学歴関係なく研究開発職に就ける可能性が高くなります。
より詳細に知りたい方はこちらをご覧ください。
- 院卒で生産技術職は負け組・底辺?
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生産技術職も利益を生み出すために欠かせず、誇りを持てる職種です。
より詳細に知りたい方はこちらをご覧ください。
- 研究開発職に転職するための手順は?
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研究開発職への転職方法の概略は以下の通りです。
- 転職すべきタイミングか考える
- 転職エージェントに登録する
- 履歴書・職務経歴書を書く
- 気になる求人に応募する
- 面接に慣れながら内定を目指す
より詳細に知りたい方はこちらをご覧ください。
まとめ:生産技術から研究開発へのキャリアチェンジは可能
生産技術職で開発から量産までの流れを理解している第二新卒の方であれば、ポテンシャル採用によって研究開発職へ転職できます。
ただし、研究開発職は人気の高い職種で採用枠が限られており、転職難易度は高めです。
未経験の研究開発職でも活躍できることをアピールするには、以下の6つがポイントです。
- 現職での異動ではキャリアビジョンが叶わない理由を明確にする
- 研究開発職でのキャリアプランを明確にする
- 大学から現職までに得た知識・経験の活かし方を明確にする
- 研究室で得た成果のプロセスを深掘りする
- 研究開発職に活かせる生産技術職の経験を準備する
- 面接経験を数回積んで慣れる
過去の経験から研究開発職のキャリアビジョンまで、もれなく深掘りして面接に臨みましょう。
客観的にみて深掘りできているか確認したい方は、転職エージェントもあわせて利用するのがおすすめです。
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